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たいへいようらいげきせんたい

太平洋雷撃戦隊

海野 十三

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,885 字 · 24 页

青空文庫

大砲にねらわれての大離れわざ

勇みに勇む第十三潜水戦隊は、その日から船脚に鞭うって、東南東の海面へ進撃してゆきました、いよいよ×国は近くなる一方です。

それは宣戦布告を聞いてから、丁度六日目にあたる日の昼下りのことでありました。第八潜水艦の司令塔は、にわかに活溌になってきました。

「どうも哨戒艦(見張の軍艦)らしいな」と清川艦長が叫びました。

「まだ向うは気がついていないようですね」

先任将校は双眼鏡から眼を離して、いいました。

「艦長どの、旗艦から報告です。『正面水平線上ニ×国二等駆逐艦二隻現ル』」伝令です。

「よし、御苦労」

行く手にあたって、高くあがった微かな煤煙は、だんだんと大きくなって来ます。よく見ると、成程それは×の二等駆逐艦が二隻並んでこちらへ進んで来ているのです。潜水艦の二倍もの快速力で走り、そして優勢な大砲を積んでいるという、潜水艦にとっては中々の苦手、その駆逐艦が、しかも二隻です。

だから、この場合潜水戦隊としては、出来るだけ姿を見せずに逃げだすのが普通なのです。

「艦長どの。司令官閣下から、お電話であります」

伝令兵は忙しく、清川大尉の方へ報告をいたしました。