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たいようとほしのした
太陽と星の下
小川 未明
「新児童文化 第6冊」1950(昭和25)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,419 字 · 11 页
なんでも、その図は、中国人らしい、一人の女が、赤いたもとをひるがえして、おどっているのでした。
少年は、近くそばへ寄って見たかったのだけれど、買えるような身でないから、さすがにその勇気がなく、こころ残りを感じながら、店さきをはなれたのです。
すこしくると、魚屋がありました。店さきの台の上に、大きな切り身がおいてありました。その肉の色は、おどろくばかり毒々しく、赤黒くて、かつて、魚では、こんなのを見たことがありません。
「これは、鯨の肉だな。そうだ、南極からきた冷凍肉だ。人間とおなじく、赤ちゃんをかわいがる哺乳動物の肉なんだ。」
こう思った瞬間、いままでの頭の中のなごやかなまぼろしは消えてしまって、そこには、残忍な、血なまぐさい光景が、ありありと浮かびました。
捕鯨の状況を考えると、たえられない気持ちがして、少年は、途中にある丘にかけ登りました。丘の上には、大きなけやきの木がありました。その根に、腰をおろしたのです。ついこのあいだまで、芽をふいたばかりの新緑が、うす緑色に煙っていたのが、すっかり青葉となっていました。ここからは、あちらまでつづく、町の方が見おろされました。