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かのうせいのぶんがく

夫婦善哉

織田 作之助

織田作之助『夫婦善哉』。同一底本的分册已合并为一书。收入:可能性の文学、勧善懲悪。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 47,834 字 · 94 页

青空文庫

この気持はそのまま、お千鶴に貧乏の苦労をさせたくないという、われながらいじらしい気持と通ずる。と、こう言い切ってしまうと、簡単でわかりやすく、殊勝でもあり、大向うの受けは良いのだが無論それもある。が、それだけでは、新派めいて、気が引ける。ありていに言うと、ひとつにはおれの弥次馬根性がそうさせたのだ。施灸の巡業ときいて、

「――面白い」

と思ったのだ。巡業そのものに、そして、そんなことを思いつくお前という人間に、興味を感じたのだ。お前のような人間に……つまりは、腐れ縁といった方が早い。

「社会奉仕」というからには、あくまで善は急ぐべしと、早速おかね婆さんを連れて、三人で南河内の狭山へ出掛けた。

寺院に掛け合って、断られたので、商人宿の一番広い部屋を二つ借り受け、襖を外して、ぶっ通しの広間をつくり、それを会場にした。それから、「仁寄せ」に掛った。

「仁寄せ」などと言えば、香具師めくが、やはりここはあくまでこの言葉でなくてはならぬ。それほど、なにからなにまで香具師の流儀だったのだ。

だいいち、服装からして違う。随分凝ったもんだ。一行三人いずれも白い帷子を着て、おまけに背中には「南無妙法蓮華経」