轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
めおとぜんざい
夫婦善哉
織田 作之助
「海風」1940(昭和15)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 30,643 字 · 61 页
小便の時、泣き声を立てるようになり、島の内の華陽堂病院が泌尿科専門なので、そこで診てもらうと、尿道に管を入れて覗いたあげく、「膀胱が悪い」十日ばかり通ったが、はかばかしくならなかった。みるみる痩せて行った。診立て違いということもあるからと、天王寺の市民病院で診てもらうと、果して違っていた。レントゲンをかけ腎臓結核だときまると、華陽堂病院が恨めしいよりも、むしろなつかしかった。命が惜しければ入院しなさいと言われた。あわてて入院した。
附添いのため、店を構っていられなかったので、蝶子はやむなく、店を閉めた。果物が腐って行くことが残念だったから、種吉に店の方を頼もうと思ったが、運の悪い時はどうにも仕様のないもので、母親のお辰が四、五日まえから寝付いていた。子宮癌とのことだった。金光教に凝って、お水をいただいたりしているうちに、衰弱がはげしくて、寝付いた時はもう助からぬ状態だと町医者は診た。手術をするにも、この体ではと医者は気の毒がったが、お辰の方から手術もいや、入院もいやと断った。金のこともあった。注射もはじめはきらったが、体が二つに割れるような苦痛が注射で消えてとろとろと気持よく眠り込んでしまえる味を覚えると、痛みよりも先に「注射や、注射や」