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おううほくぶのせっきじだいぶんかにおけるこだいシナぶんかのえいきょうについて
奥羽北部の石器時代文化における古代シナ文化の影響について
喜田 貞吉
「民族 第二巻第二号」1927(昭和2)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,885 字 · 20 页
しかしてそれがさらに海を渡って、当時わが島国では、いまだ日本民族と交渉を開いていなかったろうところの、石器時代の津軽蝦夷に伝わったとの想像は、必ずしも無稽の空想とのみ排斥することは出来まい。いわんや前記のごとく、自分が不十分なる考説を本誌に発表してから以来いまだ一年ならざるに、続々これを裏書きするに足るべき新資料の提供せらるるあるにおいてをやだ。
ちなみにいう、津軽蝦夷のことは今この小編で説き及ぶことは出来ないが、阿倍比羅夫遠征のころの奥羽の蝦夷の事情を当時の文筆家が記述したものに〔(「斉明紀」五年七月条所引「伊吉博徳書」)〕、近きは熟蝦夷、これは日本に内属し、次は麁蝦夷で、最も遠きを都加留というとあって、そのころまでもなお生蕃なる麁蝦夷よりもさらに奥地において、その麁蝦夷とは別の部族として認められた一種の津軽蝦夷なるものが存在していたのであったことだけを附け加えておく。
終りに臨んで、この不十分な研究が、主として斎藤報恩会財団の援助により、東北帝国大学法文学部内奥羽史料調査部に蒐集したる材料に基くものなることを附記して、ここに感謝の意を表する。