轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おんなけんし
女剣士
「小説新潮 第八巻第八号」1954(昭和29)年5月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,694 字 · 74 页
もっとも存八は応急工事が一段落して刑務所へ戻るとき、
「ワタシの刑期もあと三月だから、シャバへでたらここへ来て働きたいなア」
と村人にもらしたところ、村人の多くはいずれもそれに賛成して、
「それがいい。ここへ来て新しくやり直すがいいだよ」
とはげましてくれた。その中にも、お作がいた。
「きっとおいでよ。待ってるよ」
と云ってくれたのだ。ロマンスはこれで全部だ。しかし、存八はお作の待ってるよは意味深長だと考えた。ヒマな人間を考えこませるには待ってるよなぞはアツラエ向きの文句だ。いくらでも意味深長に考えてみることができる。あれもこれも、人生の全てを待っててくれるようにキリもなく思いめぐらす幅がある。幅そのものであった。存八は鉄の格子の中でその幅と存分に取り組んだあげく、ナンキン袋に世帯道具をつめこむに至ったのだ。
小頭の常サン、そこまでは知らないはずだが、まるでみんな知ってるような薄ら笑をうかべて、
「飯場がネグラの土方だ。テメエの小屋なんぞオレが知るかい。勝手にしやがれ」
と云ったが、仕事が終って村の者が山からゾロゾロ降りてくると、存八のネグラのことをきいてくれたのである。