轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おんなごころのつよければ

女心の強ければ

豊島 与志雄

「女性改造」1950(昭和25)年8月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 47,011 字 · 94 页

青空文庫

彼女は薄気味わるくなった。翌日はまず、長谷川に逢うつもりだったが、いろいろ考えてみると、どうせ柿沼にも一度は逢わねばなるまいと思い、その方を先に片付けることにした。

柿沼は神田に小さな事務所を持っていた。午後は、都心から遠い製菓会社の方よりも、その事務所にいることが多かった。以前はそこでいろいろな闇取引などもやっていたようだが、それも出来にくくなると、何か新たな計画を立てているらしかった。男二人に女一人の、いずれも若い事務員が三人いるきりだった。そこへ、千代乃は電話してみた。柿沼はいた。他の場所よりも、事務所でお逢いしたい、と言うと、よろしいとの返事だった。

板で中仕切りがしてある、狭い二室。その一室で、千代乃は柿沼に逢った。椅子だけは立派なものが備えてあった。

「僕の言づけを、誰から聞きましたか。伯母さんからですか、それとも、長谷川さんからですか。」柿沼はそう尋ねた。

「長谷川さんには、まだ逢っておりません。」と千代乃は答えた。

「そう。それじゃあ仕方がないな。僕はこないだ、長谷川さんに逢ったんだが……。」

柿沼はしばらく考え込んでいた。

「どういう御用でしょうか。