轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

つまのざ

妻の座

壺井 栄

「新日本文学」1947(昭和22)年8月、1949(昭和24)年2月~4月、7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 82,695 字 · 165 页

青空文庫

しかしミネがイビキを気にしだしたのは、閑子にそのくせがあるという野村からの手紙をうけとってからのことだ。その手紙をみてミネは水をかぶったときのようにぞくっとした。心臓にこたえるようなそれは寒気だった。閑子がイビキをかく――。野村の手紙には「私も今までは好きになれぬという以上の言葉はつつしみましたが、本当は閑子さんがこわいのです。閑子さんのイビキをききながら布団をうちから押えつけてまんじりともしなかった夜も一と晩二た晩ではありません。たぶん私との性格の相違でしょうが、ご姉妹ではあっても異性でなければわからぬところがあるかもしれません――」そんな風にかかれていた。そのときミネはいつも一つの部屋で並んでねる正子にそっと聞いた。

「叔母ちゃん、イビキかくかい。」

「うん、ときどきね、でもこの頃はめったにかかないわ。」

「ほんと?」

「ほんとよ、うそなんかいわない。」

「ふーん。」

ミネは考えこんだ。そういえばまだ野村の家にいるとき、肩をはらしてはその度にあんまを買いにきていた閑子は、昼間でもイビキをかいてねむった。「叔母ちゃんつかれたのね。」と、正子でさえそれを疲れのせいのようにいったのを思い出す。