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つまのざ
妻の座
壺井 栄
「新日本文学」1947(昭和22)年8月、1949(昭和24)年2月~4月、7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 82,695 字 · 165 页
そんな中で労働組合や政党代表のあいさつが次々と拡声機を通して流れてくる。まもなく行進がはじまった。幾組もに分れて、文化関係は芝公園へのコースについた。先頭がどこの団体なのか、しんがりはどういう組合なのかも分らぬままに、ただ順位をまって続いた。どうしたゆきちがいなのか、ミネたちのそばに土建組合の一団が陣どっていた。二十人程の日にやけた顔の女たちが交っている。手拭をかぶった女もいた。ヨイトマケの女たちだった。子もあり夫もあるだろうヨイトマケの女たち、それがここへきている。小説をかく貞子やミネと並んでいる。ミネはある感慨で、じっと見ていた。今年はじめて参加したらしく、この空気に浸りきれぬ顔をした年とった女もいた。女ざかりの女もいた。みんなそれぞれに、この時代の空気を胸一ぱいに吸いこもうとしているのだ。
会場を出ると、プークの人たちが道ばたに小さな舞台を設け指人形をあやつっている。もう少しゆくと赤いプラトークの合唱団が歌いながら行進を見おくっている。それに合せてミネたちも歌った。沿道は人の山で、ビルディングの窓から手をふる女たちもあった。手をふることで心を一つに通わせている。