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めいご

姪子

伊藤 左千夫

「アララギ」1909(明治42)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,570 字 · 12 页

青空文庫

「実の処おれは、それを聞きたさに今日も寄ったのだ、そういう話を聞くのがおれには何よりの御馳走だ、うんお前も仕合せになった」

こんな訳で話はそれからそれと続く、利助の馬鹿を尽した事から、二人が殺すの活すのと幾度も大喧嘩をやった話もあった、それでも終いには利助から、おれがあやまるから仲直りをしてくろて云い出し誰れの世話にもならず、二人で仲直りした話は可笑しかった。

おれも始めから利助の奴は、女房にやさしい処があるから見込みがあると思っていた、博打をぶっても酒を飲んでもだ、女房の可愛い事を知ってる奴なら、いつか納まりがつくものだ、世の中に女房のいらねい人間許りは駄目なもんさ、白粉は三升許りも挽けた、利助もいつの間にか帰ってる、お町は白粉を利助に渡して自分は手軽に酒の用意をした、見ると大きな巾着茄子を二つ三つ丸ごと焼いて、うまく皮を剥いたのへ、花鰹を振って醤油をかけたのさ、それが又なかなかうまいのだ、いつの間にそんな事をやったか其の小手廻しのえいことと云ったら、お町は一苦労しただけあって、話の筋も通って人のあしらいもそりゃ感心なもんよ。