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ふじんとぶんがく

婦人と文学

宮本 百合子

※「作品について」参照

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 180,792 字 · 351 页

青空文庫

というのなどは、かわゆく自然で、微笑まされる。第六回女塾の場面を、逍遙は序のなかで圧巻とほめているのであるが、明治二十年というその時分の女学生の喋り工合が活々としているばかりでなく、云われていることが、今日の私たちの心に、一かたならぬ様々の感想をよびおこすものをもっている。浪子がヒロインとして、女に学問をさせることが当時一問題となっていることを述べている。

「この頃は学者たちが女には学問をさせないで皆無学文盲にしてしまった方がよかろうという説がありますとサ。すこし女が学問すると先生になり、殿様は持たぬと云いますから人民が繁殖しませんから愛国心がないのですとさ。明治五六年頃には女の風俗が大そうわるくなって肩をいからして歩いたり、まち高袴をはいたり、何か口で生いきな慷慨なことを云ってまことにわるい風だそうでしたが、此頃大分直って来たと思うと、又西洋では女をとうとぶとか何とかいうことをきいて少しあともどりになりそうだということですから、今の女生徒は大責任があるのでございます。」浪子とりもなおさず作者と思われる少女は、「女徳を損じないようにするために」何でも一つ専門をきめてそれをよく勉強して生意気にならないようにしなければならないと云っている。