轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふじんとぶんがく
婦人と文学
宮本 百合子
※「作品について」参照
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 180,792 字 · 351 页
た。女の側から云えば、社会への視野がひろがれば広がるほど、実生活の上で男性のそのような欲望に圧ししかれて来た自分たち女の過去からの姿がまざまざと見えて来て、自然派の作品が、女を性器中心の存在のように扱う場合の多いことに対して、却って本能的な反撥が感じられていたと思われる。
従って、新しい思潮としての自然主義の波は、女にも綺麗ごとでない人生の局面に向って其を見きわめてゆこうとする勇気を与え、その勇気の正当であることを知らせた。客観的に現実を観察する力を幾分はっきりもって来たことから、婦人一般の社会感情が女性解放の欲求へ方向づけられ、イプセンの婦人解放思想とその芸術への影響へ準備されて行ったことは、意味ふかい事実であった。
このことは、水野仙子や小寺菊子の文学に、はっきりとあらわれている。
水野仙子は自然主義の文学が頂点にあった明治四十年に、二十歳で文学の仕事に歩み入り、二十二の年には田山花袋の門下となって、「徒労」「ひと夜」「貸した家」その他の作品を発表した。そして、大正八年三十二歳で生涯を終るまで、多くの短篇を発表して、堅実な作風の婦人作家として、地味であるけれども確実な文学的評価をうけた。