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ふじんとぶんがく

婦人と文学

宮本 百合子

※「作品について」参照

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 180,792 字 · 351 页

青空文庫

云いかえれば精神集注力である。」「私は精神集注の只中に天才を求めようと思う。天才とは神秘そのものである。真正の人である。天才とは男性にあらず、女性にあらず。」「私共女性も亦一人のこらず潜める天才だ。」「潜める天才に就て疑いを抱く人はよもやあるまい。今日の精神科学でさえこれを実証しているではないか」と、らいてうは「アントン・メスメル氏に起源を発した催眠術」を例として「いかに繊弱い女性でも」催眠術にかかったときや非常の場合は日頃予想し得なかった活躍を示す。天才の発揮もそれと同じ状態の下に行われるというのであった。「私の希う真の自由解放とは何だろう。我れ我を游離する時、潜める天才は発現する。」そして「自然主義の徒」というような表現で、その思潮の浅薄さが反撥されている。同時に、らいてうは婦人解放のための運動の歴史に対しても一つのはっきりした反撥を示している。「女性の自由解放という声は随分久しい以前から私共の身辺にざわついている。然しそれが何だろう」「女性をしてたゞ外界の圧迫や拘束から脱せしめ、所謂高等教育を授け、ひろく一般の職業につかせ、参政権をも与え、家庭という小天地から又は親といい夫という保護者の手から離れて、所謂独立の生活をさせたからとて、それが何で私共女性の自由解放であろう。