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ふじんとぶんがく
婦人と文学
宮本 百合子
※「作品について」参照
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 180,792 字 · 351 页
これらのすべての婦人作家、俳優、音楽家たちは、この時代になってはじめて、婦人として自分たちの芸術理論をもった。一人一人の発見物としてではなく、日本の進みゆく歴史の中で、その進む足どりを、歴史の真実にしたがって、一層多数の民衆の解放と独立のために押しすすめようとする共通の立場に立った。抑えられて来た女を、前進させる歴史のうちに社会的・芸術的に立ち上らそうと希う進歩的な男の人たちの自覚を等しくわが自覚として、婦人たちは自分たちの芸術理論をもったのであった。
雑誌『女人芸術』が、一九二八年(昭和三年)長谷川時雨によって発刊された。特にプロレタリア文学に限らず、ひろく、多様に婦人の文学的創造力を発揮させる場面として発刊された。この雑誌には、山川菊栄、神近市子、板垣直子のような評論家からフランス文学の翻訳の仕事をした大久保(八木)さわ子、そのほか下位文子、正宗乙未、松本恵子等の翻訳家、平林たい子、中本たか子、戸田豊子、大田洋子、円地文子、大谷藤子、真杉静枝、大石千代子、林芙美子、詩人として永瀬清子等の作品ものせられた。『女人芸術』は「全女性進出行進曲」というものを募集して松田解子の歌詞が当選した。