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ふじんとぶんがく
婦人と文学
宮本 百合子
※「作品について」参照
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 180,792 字 · 351 页
その意義についての対談もあり、コロンタイズムへの質疑もふくめられている。生きて動いている時代の脈動に対し、時代的なトピックに対する作家としての積極的な反応を示そうとした力作である。が、その作品の内部に、主観的に客観的につめこまれているはげしい混沌もまた何とこの作家の属している上層有識人たちの歴史的な性質を語っていることであろう。全体としてその混沌はこの階層の歴史的な諸要素を照りかえしながら、同時に、作品を貫いているテーマの発展とその帰趨においては、この作家の精神の曲線の特徴的なカーヴが描き出されている。このことも亦示唆に富んだ事実だと思う。
ホトトギスに、厭味のない、あっさりとしたつつましい作品を発表して以来、この作家はその身辺の事象を作品の中に捉える観察の投げ輪を段々ひろげて、例えば「大石良雄」という作品においては、封建的な観念が忠義を典型とする良雄の復讐という行動の動機を、経済の問題において観察する試みも企てた。
真知子に到って、この作者の投げる輪は格段と拡がったのであるけれど、投げ輪の行く手を稠密に観察する読者は、投げられた輪がかなりのひろさに円を描いて社会の事情にふれてゆきながら、その輪はいつも一筋の常識の綱につながれていてやがて落ちついたところは、常に一定の安定した平面の上であることを見出しは