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ふじんとぶんがく
婦人と文学
宮本 百合子
※「作品について」参照
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 180,792 字 · 351 页
一寸挨拶に手拭をくばる、という風に、その作品の中に真実の浅い、思いつきの自己批判の数行を加えながら。
紙の不足と新円の問題とは、ジャーナリズムと作家とを、ある意味では恥知らずとした。営利を主眼とするジャーナリズムはそれでよいとして、作家自身の問題とし、日本の文学の課題とし、この既成作家の殆ど全部隊が、血によごされたペンのまま、いかにも自主性の不足な日本の文学者らしく、お互にはあのときのことはあのときのこととしましょう、という風に今日動いていることは、何を意味しているだろう。それは十二年間に殺された現代文学の亡霊の登場にすぎない。文学精神の精髄において、社会と人間の真実を追求しようとするその精髄を喪った影の、彷徨にすぎない。これから文学に出発しようとする若い世代は、これらの亡霊的な影に、執拗に、巧妙に絡まりつかれないように自分を育てることが肝要である。
作家の出版企業家風な動きは、株式会社鎌倉文庫に顕著であり、『婦人文庫』の中心的な一、二の婦人作家にも見られる。新円は彼等、彼女等を賢くして、利潤の再生産ということを理解させつつある。
一方に、戦争の永い間、理性を封鎖されて暮した青年の間に、民主主義という、近代の社会政治の形態と本質との理解がのみこめず、暴圧の期間に蒙った精神の傷痕に拘泥してしか、社会と個性