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ふじんのそうぞうりょく

婦人の創造力

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第十一巻」河出書房、1952(昭和27)年5月発行

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,667 字 · 31 页

青空文庫

社会の中にはっきり自分を密着させていなかったからです。

今から十何年か前に、世界と一緒に日本の民主的な文学運動――その頃はその時代の或る歴史的な理解からプロレタリア文学といわれたけれども、しかし根本は今日私どもが求めていると同じように、人間は人間らしく生きよう、人間の声は十分出されていいもの、そうして美しいものをつくって行こう、ということを主張した文学運動――がおこりました。その方向は、やはり民主主義的な基礎に立っていますから、婦人も特に男より劣ったものとは考えない。却って婦人が今までたとえば小学校教員でも女の教員は月給が初めから安く、且つ永久に安い、たとえ五円でも安くなければ気が済まないという有様で、各官庁会社に勤めている婦人達もそうでした。あの人がいなければちょっと困るという位置の人でも地位は男より低い。古い古い女の人を見ると、うちの国宝だとか、生字引だとか、女でないものになったような扱いをする。そういうことから、苦しくて罷めてしまうという場合もある。それから家庭における女の人がやはりあまり利巧でも困るが馬鹿でも困るというひどい扱いを受けている。