轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふじんのどくしょ

婦人の読書

宮本 百合子

「知性」1940(昭和15)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,784 字 · 8 页

青空文庫

この時期に読者としての婦人もやはり複雑な実質をもったと思う。はやくつよく進み出した部分の婦人の読者たちは、とくに社会科学の面では広汎に男とおなじ程度のおなじものを読み、そのような読者としての立場から、婦人がこの社会にもっている現実の諸条件のさまざまを具体的に理解するようになり『女学雑誌』時代の男女平等の見解よりはすすんだ女性の社会的向上を念願するようになっていたと思う。言葉をかえていえば、婦人たちは、読者として男とひとしなみであったことから、かえってはっきりと、主観的にすすんでいるつもりの自分たち女性が、歴史の大局から見ればいかにふかい渾沌のうちにつながれているかという自身の偽りない実状を会得する可能をもったのであった。これは、読者として婦人のへた一つの画期的な意義であったと思う。高い山に登る力が発揮されてはじめて、歴史の谷あいの深さ、陰翳の濃さが婦人にとって理解されたのであった。この時期の進歩的な婦人の読者たちが書物にむかう気持は実になまなましい欲望をこめたものであった。彼女たちは、一冊の本を読むことで、そこからあることを知識として知ろうとしたばかりでなく、それを自身の生きる実力の一つとして摂取してゆこうとする意慾をもっていた。