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ふじんさっか

婦人作家

宮本 百合子

「婦人と文学」附録、筑摩書房、1951(昭和26)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,898 字 · 58 页

青空文庫

「女そのものが装いなしには存在しないように女の作家は自分の筆で装った女を私たちにみせるのだ。女流作家の芸術とは、そういう装いになり、それを装いであるが故に嘘だとするのは、私たちの短見なのだ。」そしてそのような装いをもって一種の「絵の中の女」となっている婦人作家の女たちが、「そのためにかえっていとおしくなるのを深く感じた。そしてそのことはそれでいいことなのだろう。」と。婦人作家のそのように装われた文学がジャーナリズムの上に一定の宣伝効果をもっているということ、しかも社会的現実に対する批判の能力は男の作家よりも弱いという事実について認識を与えられた軍情報部は、たちまち、そのような婦人の文筆を利用した。すべての婦人雑誌が婦人の戦争協力のために動員されていた当時、男に対してさえも男が書いたものとはちがったアッピールをもっている婦人作家を、報道活動に総動員せずにはおかなかった。

窪川稲子が一九四六年六月に発表した「女作者」のなかで、その頃彼女までが報道員として戦争協力にまきこまれていったいきさつを、えぐり出して語っている。「兵隊や兵隊を送った家族の女の感情にもひきずられてその女の感情で」