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ふじんさっか

婦人作家

宮本 百合子

「婦人と文学」附録、筑摩書房、1951(昭和26)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,898 字 · 58 页

青空文庫

曲線的な彼女の文体はままならぬ浮世に苦しみ反逆しながら、それをくちおしさとしうらみとして燃やす女のこころと生活の焔によって照らされ、それまでの婦人作家の誰も描き出すことのできなかった文学の世界をつくった。一葉の世界は旧く、しかしあたらしく、また旧さにたちかえって、そこに終結した。このことは彼女の全作品を通じてみられる興味ふかい歴史的要素である。彼女と半井桃水との、恋であって恋でなかったようないきさつに処した一葉の態度にも、この特徴はあらわれている。一葉の文学に独特なニュアンスとなって響いている旧いものは、とりもなおさず当時の庶民生活のあらゆるすみずみに生きて流れていた人民の真実であった。彼女の作中の人物たちは、心と身をうちかけてそのしがらみの中にもがいた。その意味で一葉の作品は、雅俗折衷の文体そのものによって旧い情感を支えながら、こんにちに生きのびる実感を保っているのである。

短い翼(一九〇〇―一九一六)

『明星』が発刊されたのは、一九〇〇年のことであった。黒田清輝、岡田三郎助、青木繁、石井柏亭など日本の洋画の先駆をなした画家たちが、与謝野鉄幹を中心として「新詩社」