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がくせいのぎのうときんろうたいしゅう
学生の技能と勤労大衆
戸坂 潤
「関西学院新聞」1936(昭和11)年8月8日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,445 字 · 13 页
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学生は一般大衆から色々な点で区別されている。なる程彼等は第一に知能分子である。それと云うのも社会的に多少は経済上の余裕があって、相当高等の教育を受けることが出来たからだ。だがそれと同時にこう云うことも忘れてはならぬ。日本の教育制度は云うまでもなく、有産者的な制度と方針と内容とのものであり、学生も多少とも有産者の層の出身であるが、併し例えばイギリスの学生のように特殊な貴族層の出ではなくて、実は勤労大衆の或る程度以上の層の凡てから出ていると云うことだ。プロレタリアや貧農出身ではないが、大衆的な勤労層は之によって代表されているのである。その限り学生の社会的位置は決して選ばれた好いものでも何でもなくて、大体に於て貧窮している。夫は一般の勤労大衆が貧窮しているからなのだ。
尤も同じく貧窮していても、子供を専門学校や大学へ送り得る親達自身は(たといいかに無理算段して一つの投資のつもりでやるにしても)勤労層の比較的上部のものだ。全体の極めて少いパーセンテージに過ぎない処の上部のものだ。併し学生自身にはこの点はそのままあて嵌らない。学生は彼等の次のゼネレーションである、そして親達は自分達の次のゼネレーションの生活までも保証出来る程に、有産者ではない。