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がっかいのじゅんすいしじしゃとして
学界の純粋支持者として
戸坂 潤
「文藝春秋」1935(昭和10)年5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,113 字 · 5 页
こうなると、もはや本が羨しいとか何とか云ってはいられないので、本があろうとなかろうと、研究すべきものは研究しなければならぬという、社会的必要が支配的になって来るのである。従ってここではこの学界に対する不平とか不満とかいうことは問題でなくなって来るのであって、元来不平や不満は相手に多少とも期待をもち依頼心をもち一種の同類感をもつことから来るのだが、そういう期待依頼心同類感を絶した処には、不平も不満も成り立ち得ない。ブルジョア社会の学界は元来ブルジョア学界なのであって、そして学問は不平や不満で動されるのではなくて云わば真理への情愛と虚偽に対する悪しみによって動かされるのである。唯物論者は誰しも、学界に対して不平は持たぬ、憎悪をもつだけだ。
併し学問は凡ゆる場合に公正でなければならぬし、又そうあらざるを得ない。フェヤプレーが最も確実な勝利の道だということが事実だからである。ブルジョア科学の部分的真実は、部分的に真実であることを失うためではない。この点を介して初めて、学問の公共性が党派性を通じての客観性が横たわるのである。この最終の意味に於ては、私は「学界」