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うちゅうせんぺい

宇宙尖兵

海野 十三

「新青年」1943(昭和18)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,974 字 · 72 页

青空文庫

「皆さん、ごめんなさい。艇長の命令によって、卓子と椅子を外して持ち出します」

「えっ、なんだって」

応える代りに、彼等はスパナーと鉄棒とを使って、床にとりつけてあったナットを外し、卓子をもぎとり、椅子を引きはいだ。

「何をするのかね」

僕は尋ねた。しかし艇員は応えなかった。口をきくと、行動が鈍くなると思っているらしい。それほど彼らは忙いでいた。そして扉を開くと、それを担いでどんどん外へ搬び出した。僕たちは只目を瞠るばかりだった。

そのとき、戸棚の中から、魚戸の声がとびだした。その声は、腸を絞るような響きを持っていた。

「おい、岸はいないか。いたら、すぐ展望室へ来い。艇の外に、すさまじい光景が見える。本艇は宇宙墓地のすぐ傍に近づいたのだ。早く来い。これを見なければ……」

とまでいったが、そのあとはどうしたものか、声が消えてしまった。

僕は、魚戸の声に、元気をとり直した。そして同室の二人を促して、ふたたび展望室へ駈けあがっていったのである。

難航

展望室には、魚戸がいるだけだった。

ミミの姿も見えなかったし、その夫たるベラン氏も見えなかった。

魚戸は、僕たちの駈けあがってきたのを見ると、きつい顔付のまま満足げに肯いて、窓の外を指し、