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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
05 消え失せた沙漠―大島の巻――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,648 字 · 26 页
富士山の宝永四年(西暦一七〇七年)十一月二十三日のバクハツの記録によると、前日の夕刻から地震五十回あまり、当日は算えるべからず、午前十時天からまるい光団がふるとともに黒煙空にみなぎって鳴動し、午後八時に火焔もえ、火の玉天に冲す。なるほど、三原山式ですね。その後十日ほどにわたって黒煙山をおおいつつあるかと思うと、時に火の玉をふきあげ、火焔もえたち、またもや黒煙が、一面をおおうというようにくり返しています。表面が砂のような富士山だから火口壁も再々くずれ火の玉と黒煙の噴火が入りまじって起ったものらしい。今回の三原山のもそうらしいが、富士山の記録にくらべると黒煙におおわれるよりも、火の玉だけ打ちあげるバクハツの方が多いようですね。主として直径一寸ぐらい、時に直径一尺位の火山弾もうちあげているそうですが、打ち上げる高さはせいぜい二三百米にすぎず、内輪山の火口壁周辺にころがり落ちる程度で、沙漠の外側の外輪山で見物している我々には全然危険がないそうだ。黒煙をふきだす時でも、煙の高さは五百米位にすぎないそうで、浅間山のように天高く、また遠く山麓に向って広範囲に火山弾や火山灰を噴き散らすことはないらしい。