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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
07 飛騨・高山の抹殺――中部の巻――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,650 字 · 54 页
書紀の文はそれを評して、
「マサニコノ地二都ヲツクラムト欲スカ」
とありますよ。信濃へ遷都のツモリならんかと時の人は疑ったのでしょう。三野王は四月に戻ってきて信濃の図を奉ったが、翌年十月にも使をだして信濃に行宮をつくらせた。これは筑摩、今の松本あたりの温泉へ行幸のためならん、と書紀は書いています。
ところが、信濃遷都も行幸も実行されなかった。信濃へ遷都とか行幸の問題がなぜ起ったかというと、大化四年にもエミシ退治のため信濃に要塞をかまえるようなことをやってるから、そういう必要があってのことでしょう。天武天皇は「帝都はいくつも必要である」と言明した記事が見えてます。これだけなら、別に変でもないが、それから三十三年後に妙テコリンの事が起った。
元正天皇が美濃に行宮をつくって行幸し、数日間タギ郡タド山の美泉というのをのんで帰って、
「朕はミノのタド山の美泉を連用して参ったが、顔と手はスベるようになる、痛みはとまる、白髪は黒くなる、夜も目が見えてくる、その他の何にでもきく。まさに老を養う水の精とはこれだ。このフシギを目のあたり見てはジッとしてはおられん。よって養老と年号を変え、罪人の罪を許す」