轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あんごしもだがいし

安吾下田外史

坂口 安吾

「歌劇・黒船」1954(昭和29)年5月27日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,589 字 · 5 页

青空文庫

であったために、日本は恵まれたのである。

ハリスは外交官出身ではなく、東洋を股にかけて歩いていた商人であった。いわば西部劇的な冒険児の半生を歩いてきた人であったが、その気質はいわゆる東洋を股にかけた船員や商人とはだいぶ違っていた。第一、酒をのまないし、バクチをやらない。酒をのまなかったのは持病の胃カイヨーのせいもあるが、だいたいに本来身持ちのよい人物で、一生独身であった。ただ甚だ商売熱心で、外国貿易というものに独特の見解と抱負をもっていたのである。

ペルリが日本と薪炭条約を結び通商の可能性がひらけたので、ハリスは自分を日本の初代領事にしてくれという自セン運動を起し、大統領をうごかして目的を達することができた。その時は大統領に対して、自分はワシントンで要職につくよりも日本で精神的と社会的な孤独の中で働くことを選ぶと述べ、文明国からの最初の公認された代表として日本にのりこんで平和的に開国通商させ、アメリカのためにも日本のためにも歴史に名誉ある記載をのこすような仕事をしたいとの鉄石の決意を訴えるところがあった。

その決意と抱負は彼の日記にさらに生々しく読みとることができる。