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あんごじんせいあんない
安吾人生案内
01 その一 〔判官巷を往く〕
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,119 字 · 34 页
あの人の家は農家で今景気が悪く、クビになると生活できないからどうか寛大な処置を」としきりに詫びていました。
その応対に出た夫は「兎に角、自分も今昂奮しているから、また出直して貰いたい」と云って税務署の方達には帰って戴きました、。ところが、その後十日近く経っても何の挨拶もないので、十月の二十三日近所の人達三十名ばかりと一緒に主人は税務署に出掛けました。署長さんは主人と代表四名に会って呉れましたが、その席で「自分の部下に落度はない。あの晩、税務署から三人行ったのは事実の調査に行ったので詫びに行ったんじゃない。むしろ公務執行妨害だ」と申されたので、その帰途、主人は肚を決めて告訴したのです。
あの人独りではないでしょうが、近所の人達も、大衆に接する税務署員に若い人が多く、横暴な目に余るような言動が多いと云ってみんなこぼしています。
公僕として親切であるべき人達がこんな事でよいものでしょうか。私は敢えて抗議する訳です。
これは係争中の事件で、手記の婦人は原告でもあるし、被告でもあるそうだ。したがって、犯人の手記のようにそれ一ツ独立の対象として論議しうるものではないが、あいにく殴られた婦人の手記だけで殴った方の言い分も、証人の証言もないから、この手記を一方的に信じて書くのは不当であるが、私は元々紙上裁判しようという