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あんごしたん
安吾史譚
05 勝夢酔
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,002 字 · 27 页
はやくはやく」
と言う。そこで、夢酔は源兵衛に自分の刀を渡した。なぜなら源兵衛の刀は短いからだ。それから四人いきなり大勢の中へ斬りこんだら道があいたから一目散に逃げだして、雷門で三人落合うことができた。いったん吉原へ行ったが、源兵衛が気づかいだから、新太郎らのウチへ戻ってみると、さすがに指南番で、ちゃんと戻っていて、玄関でお酒をのんでいた。そこで四人は又々何食わぬ顔で八幡サマへ行って自身番できいたら、四人の侍と六十名のトビと小揚の者の聯合軍との大ゲンカがあって十八人の手負いがでて、いま外科で縫っているという話であった。
この時から源兵衛を師匠にしてケンカの稽古に身を入れた。また、ケンカの時源兵衛にかしてやった関の兼平が鍔元から三寸上で折れていた。刀は侍の大切なものだから、こいつは気をつけなくちゃアいけないと気がついて、それ以来刀のメキキも稽古した。これが後日の役にたって、彼の生計を支える主たる収入になるのである。そのとき夢酔は十六であった。
正規の剣術に身を入れてからは、同流の道場のみならず、他流の道場へむやみに試合にでかけた。夢酔の同流では車坂の井上伝兵衛が最も上格の先生らしいが、夢酔はその門人の重立ったのをみんな叩きふせて配下同然にしたそうだ。