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あんごこうだん
安吾巷談
11 教祖展覧会
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,182 字 · 15 页
部屋の大きさを歩幅ではかるというのもアンマリ見かけないことだと思ったが、なんしろ教祖の書斎である。それを語るのも教祖二代目、こッちも教祖五六代目のツモリで、ごまかしてやれ、知らない奴は喜んで感心すらア、というような悪いコンタンで、今もって訳者は腑に落ちないのである。
とにかく、教祖は格別なものだ。一歩と三歩がちょッとは意味がちがっていても、よほど小さい書斎に相違ない。教祖はそこに鎮座して、一字を大きくさせたり、次の一字を小さくさせたり、とばせたり、ひッくりかえしたり、クロスワードパズルよりもモット困難な事業に没頭していたのであった。
私はついに教祖の公案を見破ることができなかった。そのハライセに、かかるものは詩にあらず、芸術に非ず、と断定した。そして今日に至っている。のみならず、今日に於ては、この教祖を邪教の教祖と見なしてすらいるのである。邪教といっても、教祖であるからには、立派な片言隻句も数多く残しているが、邪教であることには変りがない。
シュルレアリズムというのは、前大戦後にとびだした畸型児であるが、文学の方ではアンドレ・ブルトンなどが旗持ちで、彼はシュルレアリズムのマニフェスト(宣言)というものを書いている。