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あんごこうだん
安吾巷談
07 熱海復興
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,563 字 · 37 页
むしろ甚しく自由人というわけだ。
しかし、公娼というものは、制度の罪ではなくて、日本人の気質の産物ではないかと私は思っているのである。現在、公娼は廃止されているというが、表向きだけのことで、街娼以外の、定住したパンパンは公娼と同じこと、検診をうけ、つまりは公認の営業をやっているのである。
私は新宿へ飲みに行くと、公娼のところへ眠りに行くのが例である。むかし浅草で飲んでたころも、吉原へ眠りに行った。どちらも電車の便がわるくて家へ帰れなくなるせいだ。
公娼のところでは、酒をのむ必要もなく、ただ、ねむれば、それでいい。私はヒルネをするために、公娼の宿へ行くこともある。なぜなら、昼の旅館を訪れて、二三時間ねむらせてくれと頼むと、自殺でもするんじゃないかというような変な目でみられたり、ねむるよりも、起きているにふさわしい寒々とした部屋へ通されて、まずお茶をのまされ、つまり、日本の旅館はただねむるというホテル的なものではなくて、食事をして一応女中と笑談でも云い合わなければ寝る順がつかないような感じのところだ。
公娼の宿はそうではなくて、食事も酒もぬきであり、ねむいから、ほッといて、二三時間ねかしてくれと、いきなりゴロンとねてしまってもそれが自然に通用するところなのである。