轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たぬきじる

完本 たぬき汁

佐藤 垢石

佐藤垢石『完本 たぬき汁』。同一底本的分册已合并为一书。收入:たぬき汁、『七面鳥』と『忘れ褌』、海豚と河豚、うむどん、縁談、議会見物、採峰徘菌愚、酒渇記、酒徒漂泊、すっぽん、増上寺物語、淡紫裳、探巣遅日、盗難、濁酒を恋う、にらみ鯛 、春宵因縁談、姫柚子の讃、美音会、みやこ鳥。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,158 字 · 273 页

青空文庫

狸もその仲間にできまいか。もし狸肉がなにかの代用食になるとすれば、彼氏もまた時節柄バスに乗り込めたことになる。日ごろ睾嚢八畳敷きを誇り大風呂敷をひろげて人を誑かしていた狸公も、いささか国家のために尽くすところの一役を与えられれば幸甚であると、故郷の村からつい二、三日前、手紙があったばかりだ。

ところで、僕ら数名が試食した上、これなら食えると感じたなら、一番この際、狸公を世の中へ出してやろうではないか、と友人は熱心に説明するのであった。

私も、一応なるほどと思ったのである。

四

私が友人の説明に対する考えに、一応という言葉をつけたのには一応理由があるからである。それは、さる頃狐の肉で失敗しているからだ。

初冬の真昼、友人数名と共に銀座の舗道を歩いた。すると、前方から有閑婦人が頗る高貴な銀狐の毛皮を首にまきつけ、しゃなりしゃなりと漫歩してきた。婦人は素敵な美人であったけれどそれよりも私ら仲間の注目をひいたのは、西欧の王さまたちが即位のとき身に飾る黒貂の毛皮に白金の糸を織り込んだような銀狐の皮であったのである。有閑婦人が行き過ぎてから、それの後ろ姿を見返り感慨深そうに、皮でさえも一枚千円もするのであるから、銀狐の肉は素晴らしくおいしいものであろうな、と友人が言うのであった。