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たからづかおいたちのき
宝塚漫筆
小林 一三
小林一三『宝塚漫筆』。同一底本的分册已合并为一书。收入:宝塚生い立ちの記、東京宝塚劇場の再開に憶う、アーニイ・パイルの前に立ちて。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,995 字 · 53 页
しかしながら、彼等は必ずや「アーニイ・パイル」の行届いた経営方式に驚倒し、その後塵を嘗めて、よちよちながらも学ばんとするに至るであろう。
労働争議というがごとき、生々しい事実を取上げて、東宝を訓戒せんとするがごときは、私の目的ではない。聞くところによれば、この「アーニイ・パイル」なる名称は、労力に酬ゆる正当なる報酬であり、勲功に対する名誉の表彰であり、大衆の支持を象徴する公平なる結論であるという話である。
果して然らば、我等の東宝において、アーニイ・パイルの記念すべき名称を、東宝劇場の軒頭に掲げるに至ったことは、偶然の教訓的指示であるかもしれない。私はここにおいてアーニイ・パイルについて語るであろう。
「アーニイ・パイル」は太平洋戦争に参加したる米国一新聞の青年記者の姓名である。彼は不幸にして海戦のさ中に戦死した。然し、彼の綴れる通信記事は、全米を風靡して好評を博したのである。米国各新聞社から派遣せられた数百名の記者によって、送られたる通信記事の内容は、その冒険を競い、その敏捷を争い、その独自性をほこり、或は又美辞麗句、奇抜であり、意表に出ずる等々千差万別の裡にあって、彼は終始一貫、兵士と苦楽を共にしつつその兵士の行動、その生活、その信念、あるがままの本質と、真の姿をあらゆる角度から書いて、故国の同胞父兄