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たからづかおいたちのき

宝塚漫筆

小林 一三

小林一三『宝塚漫筆』。同一底本的分册已合并为一书。收入:宝塚生い立ちの記、東京宝塚劇場の再開に憶う、アーニイ・パイルの前に立ちて。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,995 字 · 53 页

青空文庫

敗戦の日本に主権は人民にありという新憲法が議会を通過し、民主主義は確定されて、「帝国劇場」という名称すらもピンと来ない時、私は過去を語らんとするのである。それは『なぜ帝国劇場を買収したか』について、今やその将来を杞憂するからである。

帝劇に夢みた私の計画

十年は一昔、丁度十年前に、私は、巴里の国立劇場グランドオペラに開催された海軍兵学校の慈善演劇会に、佐藤大使のお招きを受けて、大統領御臨席の夜会に出席したのである。日記によって、当夜の光景を回顧するであろう。

「正面の階段を入ると、両側に水兵がならんでいる。盛装の貴婦人と、紳士と海軍武官や外交官の御家族達で、婦人は裾をひいて半裸体、頭に冠のようなダイヤモンドの燦然たるリングを被っている。ルイ十四世時代の、芝居の舞台で見るような貴婦人も見受けた。昨夜この劇場にトラビヤタを見物した同一劇場とは思えないように変っている。オーケストラボックスは取払われ、舞台から客席まで、平面の大広間になっている。かれこれ二千人近くの来賓が芋を洗うように立っている。しかも静粛に何時間か立ちづめである。社交的訓練が行届いたものだと感心した。