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たからづかおいたちのき

宝塚漫筆

小林 一三

小林一三『宝塚漫筆』。同一底本的分册已合并为一书。收入:宝塚生い立ちの記、東京宝塚劇場の再開に憶う、アーニイ・パイルの前に立ちて。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,995 字 · 53 页

青空文庫

多年歌劇に対する一つの理想を持っておった安藤弘氏を、当時その任に得たことは宝塚の幸運であった。

安藤弘氏は、第一次鳩山内閣文相、安藤正純氏の弟であって、本願寺の坊さんもしたことのある人である。三浦環(旧姓柴田)という世界的オペラシンガーが上野音楽学校を卒業した時に、そのクラスの中で、三浦環の競争者で、それを負かして首席で出た小室智恵子という一人の女性があった。

彼女の父は三井物産の重役で、ながらく外国生活をしてきた小室三吉氏である。幼き頃、彼地で教育をうけた智恵子さんは帰国して、上野で勉強する頃、同級生の秀才安藤弘と恋愛をした。ところが、その頃大正二、三年の頃の音楽学校は、官立学校の常として、コチコチで、生徒どうしの恋愛関係は厳しい批判の的になった。言うなれば御法度破りの反逆児だ。

この天才的な二人が夫婦になって宝塚へ来てくれた。それは新温泉の従業員であった三田出身の藤本一二君の妹さんが、環、智恵子両女史と同級のピアニストである関係から、お世話して頂いたものである。そして、奥さんは声楽を教え、主人はピアノを作曲し、自分でも弾いたりした。しかし舞台へ出て弾くのは困るからというので、今の高木和夫というピアニストを雇って来た。