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ずいひつ よせばやし
寄席囃子 正岡容寄席随筆集
正岡 容
正岡容『寄席囃子 正岡容寄席随筆集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:随筆 寄席囃子、艶色落語講談鑑賞、随筆 寄席風俗、寄席行灯、わが寄席青春録。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,259 字 · 222 页
とあるそうだが、石の方まではとても私くらいの年齢ではわからないし、事実今はまだ識りたくもないとして、なるほど「門に柚の木」ぐらいはこの上植えておいてもいいような気がする。
つい、このあいだまでは華やかな暮春の果樹園のみをこよなく愛した自分だが、この頃は、いっそ、夜降る雪に美しい樹々が、心から慕われる。
それほど、人並みの苦患を少しでも経てきた自分でではあるためだろうか。
とまれ、小田原の春を待つ日はしずかである」
馬楽地蔵
「伊藤痴遊大人『講談落語界』編集の砌といわば、大正四、五年頃なるらんか。
姫野里人といえる人、先々代蝶花楼馬楽が、谷中浄名院なる馬楽地蔵に詣ずるの記を書きしにさそわれ、まだ十二、三の少年たりし己れも、初めて浄名院に詣でたりけり。
里人が戯文にありし「地蔵尊顔へ烏が糞をひり」の柳句、いかさま当時は鉛筆にて地蔵尊の尊体に記されてはありぬ。
近時、ふと思うことありて、欠かさず月詣ではじめしも、地蔵尊には
『大正三年一月十六日 釈浄證信士』
とあり、左楽(現)、燕枝、志ん生、柳枝、つばめ、馬生、小勝、今輔、小せん、文楽(いずれも先代、先々代)の名を線香立て、花立てに刻し、別に三代目小さん、建之云々とありけり。