轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふじ

富士

岡本 かの子

「文芸」1940(昭和15)年11月号~1941(昭和16)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 40,579 字 · 82 页

青空文庫

水のいろをかがり火のまわりに浸して静に囲んでいる。

かがり火も張合いがなく、まもなく火勢をもとの蕊立ちの形に引伸し焔の末だけ、とよとよとよとよと呟かしている。神楽の音が聞えて来る。

晩秋の夕の露気に亀縮んだ山の祖神の老翁は、せめてこのかがり火に近寄ってあたりたかったが、それは許されないことである。今宵のこの庭のかがり火は純粋な神のみが使う資格のある聖なる祭の火であった。一点の人情をつけて恋々西国より東国へ娘の生い立ちにを見に下った螺の如き腹にえび蔓のような背をした老翁は、たとえ自然には冥通ある超人には違いないが、なお純粋の神とはいわれなかった。生きとし生けるものの中では資格に於ていわば半人半神の座に置かるべきものであった。

娘の福慈の神もそれをいい、純粋の神の気を享けて神の領から今年、神がはじめてなりいでさせ給うた神のなりものによって純粋の神を餐まつることのよしを仲立に、一元に敏く貫くいのちの力により物心両様の中核を一つに披いて、神の世界をまさしく地上に見ようとする純粋にも純粋を要する今宵の祭に、鶏の毛ほどでもこと人の気のある生けるものは、たとえ親でも遠慮して欲しいといった。