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こねこはなにをしったか
小ねこはなにを知ったか
小川 未明
「少女倶楽部」1928(昭和3)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,213 字 · 11 页
」といいました。
こうして、ねこは、みんなから、きらわれるようになったのでした。
そればかりでありません。ねこは、いくらしかられても、ふすまで爪を磨いだり、障子を破ったりすることをやめなかったのでした。そして、ときどきは、血だらけになったねずみをくわえて家へ上がってきたのです。三人の子供たちは、いまようやく、お母さんや、お父さんが、生き物を飼うことは、骨のおれるものだといわれたことがわかったのです。
「ねこをどこかへやってしまおう。」
「だれか、もらってくれないだろうかね。」
「こんなに大きくなって、もらうものがあるものか」
「捨てればいいや。」
三人の子供たちは、こんな話をしていました。小ねこが、この家へもらわれてきた日のことを考えると、三人の話はたいへんな相違だったのであります。
こんな冗談が、とうとうほんとうになって、ねこは、ある日、酒屋の小僧の自転車に乗せられて、家からだいぶ離れた、さびしい寺の境内へ捨てられました。
いままで、生魚でなければ食べなかった、ぜいたくなねこは、ふいに、人家もない寂しい場所へ、ただ独り置かれたので、驚いてしまいました。