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しょうもんだいだいもんだい

小問題大問題

佐々木 邦

「現代」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,957 字 · 23 页

青空文庫

俸給でも落して来たんじゃなくて?」

と細君はもう悉皆見括っている。折から俸給日で特に出迎えたのだった。

「冗談じゃないよ。真正の大問題だ」

「あなたの大問題は二三日たつと皆小問題になるから安心ですわ」

「いや、お祖父さんで懲りているから、大切を取って何でも一応大問題と見做すことにしているが、今度という今度は初めから大問題だよ」

と津島君は専務から申渡された通りを伝えて、二三註解を加えた。

「嬉しゅうございますわ。真正に大問題ね。次席なら、今度は支店長に決っていますわ」

と細君もイソ/\した。一流会社の支店長は二流会社の重役に当る。

「出世の道が開けたというものさ。支店長になっていれば重役のお鉢が廻って来ないにも限らない」

「子爵より宜うございましょう?」

「子爵は唯でなれているんだから矢っ張り惜しいよ」

「いつまでも諦めの悪い人ね」

「冗談は兎に角、長崎は遠いぜ」

「江戸長崎といって、日本の果でございますからね」

「東京よりも上海へ近いようだから考えさせられるよ」

と津島君は迷っている。

「せめて神戸ぐらいならばね」

「神戸へは曽谷君が廻される」

「まあ。矢っ張り次席ですの」