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しょうもんだいだいもんだい
小問題大問題
佐々木 邦
「現代」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,957 字 · 23 页
そこで余り重きを置くのは考えものだというのさ。若し我輩の理性が弱かったら、その娘さんの結婚の為めに自暴自棄に陥って、或は自殺をしていたかも知れない。ところが健康からいうと、その娘さんは貰っても仕方のない廃物と来ている。実に危い話さ」
「重役、近代人はそんな打算的な恋愛はしませんぜ」
「矢っ張り死ぬかね?」
「死なないまでも、雨が降って来たから墓詣りを見合せるなんてことはありません。それでは恋愛でなくて商取引です」
「大分評判が悪いぞ。矢っ張り時代が違うかな。ハッハヽヽ」
と津島さんは若いものと能く打ち解ける。何処までも後進誘導役だ。
社長も社員の訓育を一に津島さんに委せている。新採用の社員は出勤の第一日に先ず社長から形式的の訓辞を受ける。それに続いて津島重役が約二時間に亙って広長舌を振う。これが近頃年中行事になってしまった。折しも学校卒業期に際し、帝大慶大を初め専門学校、甲種商業学校の卒業生が四十何名か採用試験に合格して、明日からイヨ/\社員としての勤務を始める。
新入社員諸君は午前九時階上会議室に集合せられたし
入社式順序
訓辞小山社長
講演「小問題大問題」津島重役