轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しょうけい

小景

宮本 百合子

ふるき市街の回想

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,323 字 · 15 页

青空文庫

全体の上品な顔だちの中で光った眼の色は、殆ど私を恐れさせた。その眼色、その引つった唇が、僅か二十銭で変る、変りかたを見て愉快に思うには、私は少し多くの神経を持っているのだ。

憂鬱な気持になり、私は一二台、電車をやり過した。

都会の雑音は愈々膨れ拡った、荒々しい獣のように、私の目先を掠めて左右に黄色い電車や警笛をならす自動車が入り乱れて馳せ違う。ぱっと、一時に向う角の裁縫店の大飾窓に灯がついた。前に溜っていた群集は、俄に、見わけのつかない黒影のかたまりにとけ込んだ。

白い羽毛飾ばかりは、まだその中でも、今燈火の海に燦めき、忽ち人ごみの闇にまぎれて、見えがくれしている。まるで巣を失った鷺のように。――

ああ、その街は昼間歩いて見るとまるで別な処のように感じられた。

〔一九二三年十二月〕