轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こいわいのいっか

小祝の一家

宮本 百合子

「文芸」1934(昭和9)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,193 字 · 31 页

青空文庫

朝、五時、まだ暗いうちに貞之助が先ず床の上へ起き直り、ところ狭く眠っている一家の顔の上にパッと電燈をつけた。そして、煙草をふかし始めた。パン、パン。煙管をはたいた。煙草盆は、祖母ちゃんがちゃんと出して置いてやるのである。

物音で、昨夜二時頃床に入った勉が苦しそうに寝返りをうち、夜具をかぶった。

やがて、ミツ子がじぶくり出す。はじめ夢中で背中をたたいていてやった乙女がすっかり目をさまし、勉が起きるのを心配しながら小声でいろいろすかそうとすると、猪首のミツ子は、わざとそれを撥き返すように体を反らせ、

「いやーァん、ばァちゃーん! いやーァん」

半年の間の習慣で、ばァちゃんを呼びたて泣き立てた。

すると、祖母ちゃんが、寝床の中から前掛を締めながら立って、

「さアさ、ミツ子、泣くでねえよ、な、まんまやっから泣くでね、な?」

飯をもって乙女の床のところへ来てミツ子にあてがうのであった。

勇が続いて起き、アヤが起き出し、勉も眠っておれず薄い蒲団をあげた。

勉が寝不足で蒼く乾いた顔を洗う間、祖父ちゃんは草箒で格子の前あたりをちっと掃き、掃除のすんだ部屋へ上って坐った。