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こさかいふぼくしのおもいで
小酒井不木氏の思い出
国枝 史郎
―その丹念な創作態度―
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,050 字 · 5 页
いかに努力家であったか、精力家であったか、そうして創作力が旺盛であったか、なお、いかに多くの材料を持っていたかが想像されるではないか。
死病の床につかれた時「もう三日活きたい」といわれたそうである。三日の日を経過することが出来たら、この病気は快癒に向うものと信じたかららしかった。「しかし本当の所はもう三年活きたい」といわれたそうである。後三年間の間に、志していられた事業を完成される予定があったものと思われる。
しかし、いよいよ死を知るや、周囲の医者を見廻され、「どうかしろ! どうかする方法はないか!」といわれたということである。しかしその後は沈黙を守られたそうである。しかし、殆ど全く死に這入られた時、一人の医者が「先生!」と大声に呼ぶと、眼を大きくあけ「うん!」とハッキリいわれグッと頤をしゃくられたということである。
氏の命を取った病気は、宿痾の肺結核ではなく、その肺結核は殆ど完全に治療をしてしまったのであった。風邪を引かれ、肺炎となり、最後に心臓麻痺をもって斃れたのであった。
死後行われたことは、愛知病院整形外科医員の手によって、死面を取ったことおよび氏の創作「疑問の黒枠」