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しょうねんとあきのひ
少年と秋の日
小川 未明
「児童文学」1935(昭和10)年11月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,765 字 · 6 页
「なんだ、ここにあるじゃないか。」と、さっき正吉くんが、いくら、さがしても見つからなかったところから、拾い出しました。
「君、キャッチボールをしようか。」と、正吉くんが、いうと、
「うん、こんどしよう。妹が、待っているから、早く帰らなければならないよ。」
「君の家は、遠いの。」
「遠いけど、自転車に乗ってゆけば、すぐだ。君、いっしょに遊びにおいでよ。」と、知らない子は、誘いました。正吉くんは、その子は、いい子だから、お友だちになりたかったのでした。
「どうしようかな。」と、ボールを握って、考えていました。
「僕、帰りに、送ってあげるから、おいでよ。」
正吉くんは、ついにゆく気になりました。その子のそばには、真っ赤に塗った二輪車が、置いてありました。正吉くんは、知らない子のうしろに乗って、肩につかまると、風を切って、風のように、その自転車は走りました。いくつかの、まだ見たことのない森や、まだ知らない道を通って、やはり原っぱの中に、五、六軒あった、その一軒の前に止まり、庭の木戸口を開けて、二人は、入りました。
「ここが、僕の家だよ、あがりたまえ。」
庭には、はげいとうや、しおんのような、秋草が咲き乱れていました。