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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

かれはみなの前で拇指を落とした。以来かれは四本指の兄貴とあだ名された。

「おれが談判してやろう」

と海蛇がフラフラとたちあがった。

「うまくやってくれよ親分」

と四本指がニヤリと笑ってたちあがった。

海蛇を先頭に水夫らは、船長室をおそった。

船長は一言のもとにはねつけた。これはかれらが望むところであった。サンフランシスコを出帆してからかれらは、密々悪い計画をこらした。それはこの船を占領して、南アメリカおよびアフリカ諸国に往来して、いまだに秘密に行なわれている奴隷売買をいとなんで、一攫千金をえようとしたのだ。いまその喧嘩の口実ができた。

「どうしてもきかねえのか」

と海蛇が、酒でにごった眼をギラギラと光らした。

「あたりまえだ」

と船長があおくなっていった。

「おれたちにうまいものを食わせろ」

とひとりがさけんだ。

「うるさい! でてゆけ!」

と船長がさけんだ。

「どうしてもか?」

「親分めんどうくせえ、やっつけろよ」

と四本指がそそのかした。

「よし」

と海蛇がポケットをさぐって、ピストルを出すと、船長をめがけて一発をはなった。

「アッ」と悲鳴とともに、船長があけにそまって倒れた。