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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
悪漢どもはあわてふためいて、伝馬船をおろした。若干の食物と数丁の武器と弾薬がかろうじてとりだすことができた。
「まぬけめ! おちついてやれ」
と海蛇がどなった。ひとりの水夫はあわてすぎて足をすべらし、海中にきえた。ケートとイバンスはそのすきに、伝馬船へ乗り移った。
明けがたから風が変わって、黒雲が大海をあっした。天候は大あらしに急変した、激浪と突風にもまれて、帆柱は吹き折れ、かじは流され、船はまったく自由を失った。みなは船底にかじりついて生きた心持ちもない。船は激浪にもてあそばれつつ、連盟島の北浜に乗りあげた。ケートは安心とともに気を失った。
フト眼をさますと、がやがや話し声がきこえる。きき覚えのある海蛇のだみ声である、ケートは耳をすました。
「おい抽き出しの銃はだいじょうぶか」
「ちっともぬれてません」
「ありがてえ、弾薬は?」
「これもだいじょうぶのこんりんざいです」
「じゃ、とにかく、東のほうへいってようすをさぐろう」
「親分、運転手の野郎はどうしましょう」
それは四本指の声である。
「そうだ。おまえとロックが監視しろ」
「女のほうは」
「ありゃ、浪にさらわれていまごろはおだぶつさ、もし生きてりゃ、おれたちの秘密を知ってるから、殺してやる」