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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

黒々ともりあがった林を二つにわって、白銀の川が二勇士をむかえた。風は順風、舵手は名手、帆は風をはらんでボートは矢のようにすすんだ。またたくまに平和湖に到着した。このとき、風はまったく死にたえて、帆の力をかりることができない。

「風がなくなった」

とモコウが落胆した。

「ふたりでこげばだいじょうぶだ」

と富士男がいった。

湖岸にそってふたりは、力かぎりこぎすすんだ。寂然とした湖、林には鳥の声もきかず、ただ、烈々たる友情を乗せて水をかくかいの音が、さびしくひびくばかりである。

ボートは東川の口についた。これからは流れにまかせればいいのだ。

「モコウ、たのむよ」

と、富士男が小声でいった。モコウはうなずいてさおをあやつった。数町ばかりくだったころ、へさきに立ったモコウが、ころぶようにともの富士男の手をとった。

「富士男さま、火が、火が、……」

右岸の十メートルくらいむこうに、ホラホラと燃ゆるたき火の光が、木の間をうがって赤く見える。

「舟をつけよ」

「危険ですよご主人! 悪漢かもしれません」

「ドノバンかもしれない」

「わたしもいっしょにつれていってください」

「いや、ぼくがひとりでゆく、きみはボートをまもってくれたまえ」