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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
「陸には一すじの煙も見えない、ここには人が住んでないと見える」
「人が住まないところに、舟が一そうだってあるものか」
とドノバンは冷笑した。
「いやそうとはいえまい」とゴルドンは思案顔に「昨夜の嵐におそれて舟が出ないのかもしらんよ」
三人が議論をしているあいだに、他の少年たちはもう上陸の準備にとりかかった。固パン、ビスケット、ほしぶどう、かんづめ、塩や砂糖、ほし肉、バタの類はそれぞれしばったり、つつんだり、袋にいれたり、早く潮がひけよとばかり待っていた。七時になった。だがいっこう潮が引かない、そのうえに船はますます左にかたむいて、左舷はがっくりと水に頭をひたした。
「だめだ」
黒少年モコウはあわただしくさけんだ。それと同時に船首のほうに立った仏国少年バクスターの口から、大きなさけびがおこった。
「しめたッ」
だめという声と、しめたという声! 人々はなんのことだかわからなかった。
「ボートがあるよ」
バクスターはふたたびさけんだ。
「ボート?」
少年たちの眼は急にいきかえった。かれらは一度に船首に走った。
「あれ! あれだ」
いかにもバクスターのいうごとく、海水にあらいさられたと思った一せきのボートは、みよしのささえ柱のあいだにやっとはさまってぶらさがっていた。