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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

グロースは、たちまち身を地上にふせてさけんだ。

「気をつけろ」

一同は頭をさげた、このときおそし、一丸はイバンスの頭の上をかすめて去った。

かれらが頭をあげると、ひとりの敵が、林の奥へ逃げ去っている、ゆうべ逃がしたロックである。イバンスは、これにむかって一発した、鉄砲玉のロックはこつねんとしてすがたをけした。

「残念だ、また逃がした」

このあいだはわずかに五、六秒である。

フハンはしきりに高くほえている、イバンスら一同は走った。

このときドノバンの声がした。

「富士男君手をゆるめるな」

一同はこの声のするほうに走った。

富士男はいま一味のコーブと戦っている。あざらしのコーブはかれら仲間でも名だたるけんかじょうずだ。富士男のような少年が、どうしてかれに対抗できよう! 富士男はしっかりとかれに組みふせられた。組みしかれながらも富士男は、少しもあわてない、父から教えられた日本固有の柔道の奥の手、けさがためののがれがきまって、大兵のコーブをみごとにはねかえした、かえされたコーブもさるもの、地力をたのみにもうぜんと襲来した、その右手には、こうこうたる懐剣が光って、じりじりとつめよる足元は、大地の底にめりこむかのよう!