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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

この夜は終夜まくらもとにつきそうて看護した。ドノバンはやっぱり昏睡状態である。ケートはニュージーランド河畔にしげっているはんのきの葉をつんで、それをついてこう薬をつくり、二人の創に塗りつけた。これは痛みをとるに特効があった。だがホーベスの負傷は、急所の痛手なので、この妙薬も効験はなかった。かれは自分でとうてい助からないと知り、眼をかすかに開いて、ケートの顔をしみじみとながめていった。

「いろいろお世話になりました、だがぼくはもうだめです。どうか少年たちにお礼をいってください。ぼくは死んでも少年たちをまもって、ぶじ本国に帰るようにします」

「そんな心細いことをいわずに、元気をお出しなさい。あなたはかならず全快なさいます」

とケートはいった。

「いやいや」とホーベスは眼をしばたたいて「ぼくはずいぶん悪いことをしたから、このくらいの天罰は当然です。だが、死ぬまえにほんのわずかのあいだでも、善心にたちかえることができたのはぼくの一生のうちの幸福です」

その後かれはなにもいわなかった。しだいしだいに呼吸がおとろえて、あけがた、うすあかりが東にほのめくころ、この改悟の義人は、十五少年とケートとインバスにまもられて、その光ある最後の息をひきとった。