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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
とイルコックがいった。
富士男はもう一度壁に耳をつけたが、その後せきばくとしてなんの音もない。
不安な一夜をすごして、翌朝ドノバンらは湖のほとりに、フハンをさがしにいった。富士男とバクスターは例のごとくトンネルをほりつづけた。午後の二時ごろ! 富士男はつるはしをとめてとつぜんさけんだ。
「どうもへんだぜ」
「なにが?」
とバクスターはいった。
「このトンネルがほかの洞穴へつきぬけそうな気がする、なにがとびだすかもしれないから、みんな注意してくれたまえ」
ドノバン、イルコック、ウエップらは、手に手に武器をとって身がまえた。年少者はことごとく洞の外へ避難せしめた。
「やあ、これだ」
富士男のうちだすつるはしとともに、ぞろぞろと大きな岩がくずれて、そこに洞然たる一道の穴があらわれた。
「やあ」
声とともにがらがらと地ひびきをさせて驀然おどりだしたる一個の怪物が、富士男の顔をめがけてとびついた。
それはフハンであった。
「やあ、フハン!」
一同のおどろきは喜びの声とかわった。フハンは主人のほおをひとなめしてから、身を転じてバケツの水をしたたかに飲み、それから主人をさそうもののごとく、顔を見あげた。